対話を「脱イベント化」したい
完全に実感ベースの話です。
これまで年1回のビッグイベントとして位置づけられていた講演会・懇談会・シンポジウムなどが、ここ2〜3年でこぞって対話の要素を取り入れる方向へシフトしています。
ただ、悲しいかな今は過渡期。
イベントと対話が、ごっちゃになっているケースがとっても多いのです。
僕の“イベント”に対するイメージはこんな感じ。
・華やか
・その瞬間に心を動かす
・人が集まれば集まるほど嬉しい
・年に1回大きく開催
・締めがある
しかし、“対話”の場というのはむしろ対極です。
・絵面が地味
・積み重ねることで心が開かれていく
・適正な人数・適切な人選が必要
・小さくてもいいので頻繁に開催
・締める必要がないときもある
なので、こんなときは困ります。
「とりあえず上司から部下に声をかけて来させるようにしたから!」
→せめて事前にゴールを共有してあげて…来たくない人を無理に呼ばないで…
「終了後、大盛り上がりだったね!大成功だ」
→1回じゃわかりません…
「来年もよろしくお願いします!」
→年1回じゃ深まりません…つながりません…
「これまで講演会形式だった枠を今年から参加型に…」
→講義型と参加型とでは、必要な時間が全然違います…
「(ところどころしか見ていないで)上手くいってますね!」
→対話が盛り上がっていく段階をちゃんと見てて!
「なんか、まとめがあるとよかったなぁ」
→最初に言ったでしょ、「結論を出す必要はありません」って!
「私は、外で見ているだけで結構です」
→外にいても分からないよ!
…などなど。く〜悔しい。。
イベントが、綺麗な花を提供するものだとしたら、
対話は、そんな綺麗な花を育てるための土を耕し、種を撒くものです。
花が咲くのは、その瞬間でなくていい。
参加者一人一人が、あるいは協力して花を咲かせるための準備の場です。
そこのイメージの転換が、まだまだ進んでいないのが実情です。
しかし、前述の通り、今は過渡期。
その場その場での依頼を丁寧にこなしながら、
「一回じゃ足りない!勿体ない!」
「もっと話したい!」
と思ってもらえる場づくりをしていくしかありません。
その上で、参加者が自分達で自主開催するようになったり、徐々に頻度を増やしていく方向性になっていったらいいなぁと思っています。