まちづくりで、儲けようと思わない方がいい
*前提として、ここでの「まちづくり」という言葉は、広くまちの課題を解決すること、まちに新たな魅力を創造することを指しています。また、主にソフト事業をイメージしていただければと思います。
杉並区に引っ越してきてから早4年。様々な形で杉並区のまちづくりに関わらせていただいています。
100ともをはじめとする小・中規模のイベントの主催。
会議ファシリテーターやワークショップの企画・運営。
助成金申請・報告書作成などの事務作業。
行政や市民団体の事業やイベントのお手伝い。
などなど。
これらを実施することや、それに向けた準備等々は、もはや仕事というか、日常生活に近い感覚で行っています。
以前、父親に「りんたろうは、まちに就職したんだな」なんて言われていたようなのですが、言い得て妙。
そんな僕が常々思っているのが、タイトルの通り、「まちづくりで、儲けようと思わない方がいい」ということ。
儲けたくないわけではありませんが、なんというか、儲けるものではない・・というのが近いかもしれません。
理由は、シンプル。
まちづくりの活動は、嗜好品ではなく日常用品。
マーケットの発掘ではなく、社会インフラの構築・補完。
本当はあったほうがいいんだけれど、ないことに慣れてしまっている。
そのせいで、もっと幸せになれる・楽になれる機会を逃していたり、しわ寄せを受ける人が出てきてしまっている。
そこに新たな提案をするのがまちづくりだと、思っているからです。
例えば、ある商店街イベントでのお手伝い。
長く地元で住んでいる人達や商店街の役員さんからしたら、「手伝える人が手伝うのは当たり前。自分たちもやっているし」であって、お金を支払う行為だと認識されていない場合があります。
そこに入り込み、助成金の申請も一緒にお手伝いしながら、雑役務費という項目でアルバイト代を計上し、申請する。当日、若者を集めて精一杯動いてもらい、きちんと対価を支払う。そういう事実を積み重ねて文化をつくる。
例えば、教育関連の組織でのイベント実施や会議ファシリテーションを請け負う場合。
そもそも「会議にファシリテーターを入れる」という文化がなかったり、「予算を請求したり、どこかから引っ張ってきたりする」ということをやったことがない人が経理を担当していたりします。
でも、やります。理由は簡単。場に寄り添える第三者としてファシリテーターがいると、利害関係者が集まっている場の進行がこんなに楽になるんだということを、体感していただき、あわよくば根付かせたいからです。
もちろん、ずっとタダでは困るので、他の学校での予算申請の方法を共有したり、来年度に予算をつけたくなるようなクオリティを目指して頑張りますが(笑)
・・・と、僕にとってのまちづくりはこんな感じです。
僕の周りを見回しても、まちづくりを担っているのは、儲けたい人ではなく、他の人よりもちょっと早くに、もっと楽に生きる方法に気付いた人ばかり。
お金がもらえないときも、人の倍、汗をかくときもあります。
でも、向き合えば向き合うほどに、「自分の描いたまち」が広がっていく。
それで、やっぱり楽だなぁと実感する。
それが醍醐味。
ねっ、儲からなさそうでしょう??(笑)
ただ、もっとお金が動けばいいなぁとは思っています。
お金が動くということは、人やサービス・商品が出たり入ったりするということ。そういった動きを通じてまちは活性化していきます。
まちに住む人自身がどんどんチャレンジをして、もっともっとお金が動くようになればいいと思います。
そんなチャレンジを楽にするために、100ともをやってきたわけだけれども。
僕も100ともの力を借りて、新たに起業するので、その一端を担いたいと思っています。
そういう姿が、更に僕の後輩達にかっこよく映って、真似したいと思ってもらえたら、いいな。