4年の間で、杉並発の対話文化はどう広がっていったのか 〜杉並区内編〜
2012年1月21日に、第1回杉並区ワールドカフェ・サロン”100とも”を主催したことを契機に、僕はファシリテーターとして杉並区内で開催された多くの対話の場やワークショップの企画・運営に携わらせていただきました。
面白いことに、それらの場は決してポンと偶発的に企画されたものでは決してありません。
何か新しいことが始まるときには、必ずキーマンがいるんです。
ある1つの場の開催がキーマンを呼び寄せ、そのキーマンが確実に次の場の開催のきっかけを生み出しています。
そして、その一本の糸はきっと僕にしか見えていない。
知っていただきたいし、キーマンのみなさまに感謝をお伝えしたいと思ったので、改めて書いてみます。
■①杉並区ワールドカフェ・サロン”100とも” × キーマン:山本さん(久我山緑の散歩道 杉並区テーマ型まちづくり協議会)
→②みんなで考えよう!高井戸公園づくりワークショップ(2014年)
100ともに参加して下さっていた山本さんが、杉並区久我山に新しくできる都立公園に区民の声を届けたいという想いから、ワークショップの依頼を下さりました。本ワークショップは全3回を実施。デザイナーや建築士も参加者に加わり、非常に質の高いアウトプットを東京都に提出することができました。
■②みんなで考えよう!高井戸公園づくりワークショップ × キーマン:伊藤さん(元・中瀬中学校PTA会長)
→中瀬ぶっちゃけ話の会(2014年〜)
→下井草ぶっちゃけ話の会(2016年)
→下井草タウンミーティング(2016年)
→③中学校PTAと教育委員との懇談会(2014年)
→区立学校・PTA特別研修(2015年)
→高井戸中学校グループエンカウンターの授業(2014年)
→高井戸中学校SNSワークショップ・講演等(2015年)
→高井戸第三小学校教員向けファシリテーション研修(2015年)
→向陽中学校職業体験振り返りワークショップ(2015年〜)
ワークショップに参加して下さった伊藤さんが、自身がPTA会長を務められている学校で生徒×親×先生による対話の場を実施したいという想いから、ワークショップの依頼を下さりました。第1回のテーマは「みんながワクワクする体育大会って??」おしゃべりが終わったあとの、生徒達の興奮した表情は忘れられません。
また、このつながりを契機として学校単体の場づくりから、様々な学校のPTA会長が集まる教育委員との懇談会の場づくりへとつながりました。
更に、この機会によって唐澤さん、林さんという各学校のPTA会長とつながり、それぞれの学校でワークショップを実施させていただくことができました。
■③中学校PTAと教育委員との懇談会 × キーマン:吉田さん(元・杉並区立小学校PTA連合協議会会長)
→④すぎなみ教育シンポジウム(2015年)
→杉並区立小学校PTA研修(2016年)
前年度に中学校PTAを対象に実施させていただいた対話の場づくりを、今度は小学校で行わせていただきました。きっかけをくださった吉田さんとは、僕が杉並区商店会連合会の事務局にいたとき、高円寺銀座商店会協同組合専務理事としてお世話になったこともあり、地域のつながりが生み出す可能性を感じました。
そして、中学校・小学校といただいたこの機会が、区立小中学校の教師・PTA・学校支援本部・保護者等が300名集まるすぎなみ教育シンポジウムへとつながりました。
■④すぎなみ教育シンポジウム × キーマン:森さん(杉並区役所職員)
→⑤中央図書館改修に向けたワークショップ
シンポジウムでの成果は役所内でも共有していただけたそうです。その結果、先日終了した中央図書館の改修に向けたワークショップを実施することができました。
このように、杉並区内では、キーマン達のおかげで対話やワークショップに触れる機会が確実に増えているんです。
もちろん、まだまだ浸透はしていませんし、ワークショップに対する正しい認識や理解は進んでいません。
なんとなく流行ってきたし、面白いという噂も聴いたし、参加者が主役っていい響き〜ぐらいの認識が多いように感じます。
多くて困るケースは、これまで講演会で使っていた時間や予算を、そのままワークショップに当てはめてやって欲しいというもの。さらには、そもそもワークショップの依頼主がワークショップに対して懐疑的ということもあります(なぜ依頼してきた!?)。
まさに、コツコツと階段を上っているイメージ。
担当者との打ち合わせのときから、ワークショップの効果と手法、押さえどころを説明・共有し、担当者が実現したいゴールを話し合いながら引き出し、それをプログラムに落とし込みます。
その上で、当日にそれをきっちりと実現する。設定したゴールを実現することはもちろん、参加者のみなさんがとってもいい顔をされている状態、会場の熱が上がっているのがわかる状態を生み出す。
ここまで出来て、成功。担当者はきっと次にワークショップを企画する時にはきっと違った視点で臨んでいただける。
また、参加者の中にいたキーマンの目にとまり、新たな場づくりにつながる可能性も出てきます。
キーマンは、すごい人達ばかり。
これまでずっと、自分から積極的に動き回り、色々な人に頼られ、普段からもっといい方法はないか・面白いことはないかと常にアンテナを張り巡らされていらっしゃいます。
だからこそ、こっちも必死。本気。
毎回、まだ顔が見えぬキーマンに、届きますように!!という気持ちで場に臨んでいます。
僕らが目指している「自分たちのまちを、自分たちでつくる」まちには、対話の文化やワークショップの手法は、一度は通っていても損はしないんじゃないか〜と思っています。流行っているし、せっかくなら面白いと思える場に参加してもらいたい。
だから、これからも成功を積み重ね、区内のキーマンと一緒にコツコツと進んでいきたいと思います。
次回は、杉並区から区外への広がりを書きます。