ワークショップをつくるときに、最初に必ずしていること

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こんにちは。

共同代表のりんたろうです。

最近、チームビルディングス株式会社とのFacebookメッセンジャーグループで盛り上がった話がありまして。

「最近、ネタ探しをするときは、どんなの使っている?」

という投げかけがあったんです。

そうそう、こーゆー話とかしたかったんですよね、同業者と。

・・と思ったら、他のみんながどんどんとアップするもんで、僕はネタ切れ笑

そこで僕は苦し紛れに「ネタ探しをする前にしていること」・・・つまり、ワークショップの具体的な中身を考える前に行う、本当の最初の最初にしていることを共有させていただきました。

この考えは、ワークショップに限らず、授業や研修や企画づくり、何にでも応用が利く考え方だと思います。

①目指すべきゴールについて、とことん考え尽くす

ゴールとは、終了時に、場がどのような状態になっているのかを、誰もがイメージできる文言のこと。

自分で場を主催するときには1人で。

クライアントが開催したい場を担当するときには打ち合わせのときに。

とにかくここを綿密に確認します。

注意しなければならないポイントとして、一番ありがちなのは、

「場が終わった”その時の”参加者や場の状態(=ゴール)」と

「場が終わって、日常生活や本来業務に戻っていく中で参加者がこうなっていったらいいなぁという状態(=狙い)」が、

頭の中でごっちゃになっている場合。

ここが混ざってしまっていると、1回のワークショップに過剰な期待を抱いてしまったりします。ワークショップが1度開かれただけじゃ、世界中のみんなは笑顔になりません笑

「狙い」を実現するのは、そこに集まった参加者やクライアント。

参加者やクライアントが「狙い」を実現するための一つの手段として、必要だと思われる場を提案するのが、僕らファシリテーターの役割。

なので、クライアントとの打ち合わせでは、実現したい狙いに到達するために、”この場”ではどこまで持っていけばいいですか?何を実現したいですか?・・というところを、とにかく掘りまくる。

ここに一番時間がかかります。

何を目指してこの場を開くんだろう、自分達は参加者にどうなってもらいたいんだろう・・・本質を追求していく中で、研修やイベントを依頼してくださるチーム内で、実は認識の違いがあったりすることが明らかになっていくからです。

・・・なので、事前打ち合わせが、一番ファシリテーションを発揮している気さえします。

②ゴールを決める

場のゴールの方向性は、大きく以下の3つに分けることができます。

(1)交流

参加者同士や、場で取り上げたいテーマと参加者との距離が近づいている状態を、ゴールとする。

→ゴールの文言例:〜について、説明できるようになっている・同じグループの人を、自分の職場のみんなに紹介できるようになっている

(2)発散

場で取り上げたいテーマについて、様々なアイディアや意見、想いがたくさん出されている状態をゴールとする。

→ゴールの文言例:模造紙がアイディアでいっぱいになっている・○個以上アイディアが出ている・ちゃんと言い合えた、聴き合えたと感じている

(3)集束

場で取り上げたいテーマについて、アイディアがまとまっている・決まっている・絞られている状態をゴールとする。

→ゴールの文言例:〜が決まっている・○個に絞られている

注意すべき点としては、交流→発散→集束・・・の順にゴール実現までの難易度は上がっていくということ。

難易度が高ければ高いほど、参加者の中で「わからないこと・不安」がしっかりと解消されていないと到達できない。

「全然言いたいこと言えてないのに〜」と、発散が不十分だと感じている人がいる中で物事を決めようとすると、決定に時間がかかったり、結局決まっても実行されなかったりする。

また、そもそも十分に発散を行える土壌をつくるためには、交流を通じて「なんでも言っていい・訊いていい」と思える関係性づくりが不可欠だったりします。

なので、どこまでのゴールを目指せるかというのは、実は、その場に参加する人達の関係性や、参加者とテーマとの関わり度合い、使える時間によって、ほとんど決まっていると言っていいです。

そこを見極められるかどうかが、ファシリテーターを名乗って人前に立てるかどうかのラインなのかなぁと、自分では意識しています。

③プログラムをデザインする

参加者が抱く不安や”わからない”を解消したり、ゴールに向かうために必要な情報・視点・感覚を提供するのが、プログラムデザインの目的です。

ゴールを実現するためには、こんな視点や思考・感覚を持つ必要があるなぁ、どうしようかなぁ〜と、コンテンツを考えたり、本やインターネットからネタをあさったりします。

この作業はゴールが決まった段階で、初めて着手します。

ゴールが決まるまでは、もしかしたらワークショップという手段を選択しないかもしれないからです。

扱いたいテーマについて、まずは知識をしっかりと入れた方がいいと判断したら、講演会やツアーなどを提案するかもしれません。

そもそも、何かを始めようとする前に、企画側でもっともっと話し合う必要があるなぁとわかったら、それを提案したりもします。

ワークショップや、ワークショップ内で扱われるコンテンツは、あくまでもゴールを実現するための手段ですから。

プログラムデザインをする上で、組み方の原則がいくつか自分の中であるのですが、3つをご紹介。

(1)交流→発散→集束の順に組む

ゴール設定をする時にも大切にしている考え方ですが、プログラムデザインをする上でも同じです。設定されたゴールに合わせて、各段階にかける時間や濃さが決まってきます。

これ、ワークショップだけではなく、会社の会議でも一緒です。

よく「決め方が分からない。いい方法を教えてくれ」って言われることがあるですが、それはほとんどの場合、決め方が分からないのではなくて、

・なぜ決めるのか?何を決めるのか?が場のメンバーで共有、納得されていない

・決めるに至るほどの情報量や満足感がその場に醸成されていない

ということにつきます。

大切なのは、決める方法ではなくて、決まる場づくりを行うこと。

それでも決め方が・・という方には、こんな簡単な方法がおすすめ。

物事を決める際に、なぜ決めるか、何を決めるかをしっかりと共有。

その上で、「○○分まで話し合おう!そこまでで決まらなかったら、○○さんの判断で決めよう!」ということに、まずはみんなで合意をとる。

かける時間については、その場で出た意見に柔軟に対応する。

ゴール・時間・決め方を、みんなで最初に決めた状態で、場を始める。

それだけで、最後の納得感は全然変わります。

 

(2)個人→グループ→全体の順に組む

活動グループの規模は、それぞれにメリットがあります。

人数が1人だと、周りを気にしなくていい。考え込める。自由に発想できる。

人数が少ない方が、喋りやすい。同じ時間をとっても1人が多く話せる、聴ける。

人数が多い方が、多くの違いや情報に触れることができる。

対話は、人の想いや考えの掛け算。

まずは、しっかりと個の中にあるものを蓄え、場に対する安心・安全を感じられるようにする。

そこから、相対する人数を少しずつ増やしていくことで、自分の想いや考えを自由に表現し、一人一人がその場にいる意味を感じられるように設計します。

(3)場での成果を個人に落とし込む

場に出てきたアイディアや場で決まったことだけが、”人が集まる場”の成果ではありません。

個々人がその場から得た感情や感覚、想いを改めて紙に書いてみたり、言葉にして発してみたり、それを場のみんなと共有してみたり。

そうすることで、改めて「あぁこの場に参加して、よかったなぁ」と感じることが、次の場へのワクワクやモチベーションを高めることにつながります。

そして、参加者の主体性が高まった結果、次の場も上手く進むようになります。

みなさんが、”人が集まる場”をつくるときに意識されていることは、なんですか?

こうやって、どんどん共有できたらいいなぁ。

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