本当に伝えたいのなら、自分の固定観念を突き破ろう@荻窪地域区民センター協議会ファシリテーション研修

「どうやらファシリテーションというものが会議に効くらしいという情報を得た60〜80歳の方々に、ファシリテーションを学ぶ機会をつくってほしい」

これが今回のオーダーでした。
別の研修では、担当者との打ち合わせの中で、そもそもファシリテーションを知りたいのではなく、効果的な会議運営の手法が知りたいというのが主訴であることがわかった結果、ファシリテーションという言葉をあえて使わずに行ったときもありました。

しかし、今回は「ファシリテーションを学びたい」ということだったので、どうやってファシリテーションを分かりやすい、かつ馴染みある言葉で説明できるか、考えました。

我々も自分たちで定めた定義として、
「人が集まる場において、一人一人が自分の想いや考えを安心・安全に表現できたり、全員にとって納得のいく結論を出せるようにはたらきかけたりする、スキルの総称。」
というものがあります。

が、もっと伝わる表現はないものか…と。

そこで思いついたのが、

『ファシリテーションは、会議の場における”おもいやり”と”おもてなし”』…という表現。

おもいやりは、心得。
人が集まる場において、参加者が抱える心配事、わからないこと、知らないこと、不安なこと、緊張、怒り、誤解、無関心…などといった”もやもや”を想像する力。気付く力。

そして、

おもてなしは、作法。
参加者の”もやもや”を解消するための知識と手段。
例えば、会議のゴールを設定すること、不安そうな人を見つけて話しかけること、質問すること、適切な会議プログラムを組むこと、板書すること、分かりやすい進行などなど。

これが実際、参加者に対してとってもハマった表現になったようで。

当日、

りん「みなさんが会場の入口に足を踏み込んだ瞬間から、開会まで10分程度の間で、みなさんが頭の中に浮かんだことを教えて下さい」

参加者「模造紙がある!何をやるんだろう」「音楽流れている!」「今日のテーマはなんだっけ」「先生若い!」「どこに座ろう」

りん「それが”もやもや”です!みなさんの感受性すごい!会場に入っただけでこれだけの”もやもや”が浮かぶわけです。これが、開会して、主催者からの情報が入ってきたり、参加者同士で話し合いをし始めたら…この”もやもや”はどうなると思いますか?」

参加者「・・・とっても怖くなりました」

うん!!!!!ばっちりイメージできたようです(^^)
この前提をしっかりと共有・共感していただけたことで、以降がとってもスムーズに進みました。

以降は、ゴールの重要性やプログラムデザインをする上での原理・原則を共有し、
最後は、ケースワークを通じて、ファシリテーションの一つとして「書く」というスキルの効用を実感して、無事に終了。

人が変われば、伝えるための表現も変わる。
固定のパッケージやプログラム、表現に甘えない。
相手に、本当に向き合うプログラムデザインを、今後も続けていきます(#^^#)

〈ゴール〉
参加者から意見がたくさん出てくる会議の作り方を、他の誰かに説明できるようになっている!

〈プログラム〉
(1)開会・マインドセット「本日のゴール・プログラム・大切にしたいこと共有」
(2)個人ワーク「SGシート記入」
(3)アイスブレイク「自己紹介&シート共有」
(4)レクチャー①「ファシリテーションとは〜会議の事前準備編①」
(5)休憩
(6)レクチャー②「ファシリテーションとは〜会議の事前準備編②」
(7)グループワーク「ケースワーク〜なぜ、後援会の後の質問タイムには、手が挙がらないんだろう?」
(8)全体ワーク「ぐるぐるタイム」
(9)ふりかえり