自分の”違い”を認められるから、相手の”違い”も認められるようになるんじゃない?@杉並区立中瀬中学校道徳授業
…と、タイトルのようなことを意識して、かえでさん(群馬大学産学官連携研究員&非常勤講師)と一緒にデザインを考えた本授業。1〜3年生の全校生徒を体育館に集めて実施しました。
かえでさんは、ろう&LGBTQの当事者。
でも、生徒や保護者への事前周知の際には、そんなことは一々伝えませんでした。
だって、「私は他の人と比べて背が高いです」なんて、わざわざ自己紹介文に書かないですよね。それと全く一緒。
だから、かえでさんが壇上に上がって、手話で講演を始めたとき・女性の手話通訳士さんの声が聴こえてきたときには、顔を見合わせる生徒達によって少しざわつきました。
でも、その後の生徒達はずっと真剣な眼差し、前のめりになってかえでさんのお話に聴き入っていました。
「男は女を、女は男を好きになるのが”普通”ですか?」
「いつからLGBTの世界があったと思いますか?」
「クラスに、耳が聞こえなくて、ゲイの人がいます。どのように接しますか?」
「あなたのセクシュアリティは?」
「父親(母親)が、ゲイ(レズビアン)だったらどうしますか?」
かえでさんの柔らかい雰囲気から、とても根源的なこれまでの”当たり前”をひっくり返されるような問いかけに、生徒達はたくさん思考していたようです。
かなりセンシティブな内容なので、知り合いではなく、異学年・ペアワークで基本を進める予定だったのですが、これまでの経験値もあり、自然と近くのペア同士がくっついてグループで話を広げてくれたり、ワークシートの記述量にも目を見張るものがありました。
本日のゴールは、「私が”他の人と違う”ということを話を聴く前より認められるようになっている」
そして、この日の最初のワークは、「私が他の人と”こういうところが違う”と感じることをシートに記入して下さい」でした。
かえでさんの話を聴き終わった生徒のみなさんが、最初に書いた自分の”違い”がどう目に映ったのか、今度会った時に聴いてみようと思います。
かえでさん、手話通訳士の森本さん、樋口さん。
本当にありがとうございました。
〈ゴール〉
私が”他の人と違う”ということを話を聴く前より認められるようになっている
〈プログラム〉
①開会・マインドセット「本日の主旨・ゴール・プログラム・大切にして欲しいことの共有」
②アイスブレイク「ペア自己紹介」
③個人ワーク「私が他の人と”違う”ことはなんだろう」
④情報提供1「かえでさん自己紹介〜かえでさんのお話」
⑤個人ワーク「ワークシート記入」
⑥ペア・グループワーク「シェアリング」
⑦情報提供1「かえでさんのお話」
⑧個人ワーク「ワークシート記入」
⑨ペア・グループワーク「シェアリング」
⑩かえでさんよりみなさんへメッセージ
(11)個人・グループワーク「ふりかえり」
(12)一問一答タイム