オンラインの場づくりにおける、ファシリテーターの役割とは(2)~開催準備編~
この度、合同会社Active Learnersとしても公式に「オンライン・ファシリテーター業務の受託」を始めることにしました。
今回は、ALsがオンライン・ファシリテーターを受託するにあたり、オンラインの場づくりを考えている皆さまと一緒に共有したい視点について、3編に渡って書かせていただいております。
第1編は、開催検討編
1.場のゴールを確認する
2.場のゴールや参加者に合わせた適切なオンライン・サービスの選定
記事はこちら → https://active-learners.jp/skills-and-mind/role-of-online-facilitator-1/
場のゴールを設定するプロセスで、改めてその場をオンラインで実施する意義や必要性を、自分の中で確立させようというお話でした。
続く第2編は、開催準備編です。
よし、オンラインでこの場を開催しよう!となった時に、どのようなことに意識してプログラムデザインをすればいいのかを、記載してみました。
3.オンラインだからこそ生じる不安の解消と、トラブルありきを意識した余裕のあるプログラムデザイン
ファシリテーターは、その場その場における参加者の不安やもやもやを意識しながら、それらが解消され、参加者がゴールに向かって主体的に参加できるようにプログラムを組んでいきます。
オンラインの場づくりでも全く同じですが、オンラインならではの意識しなければならない前提が2点あります。
1つは、「オンラインイベント初参加です」という方がいらっしゃるかもしれないということ。
思い出して下さい。
zoom等の「参加」ボタンを押した後、すぐにたくさんの表情がばばばばっと画面に出てきた時の緊張感を。
相手の声は聞こえるのに、自分の声は届いていない。あるいはその逆のパターンに陥った時のことを。
「◯○の操作をして下さい」と言われ、「あれ自分にはそのボタンが見当たらないぞ」と焦った時のことを。
あっ、別の人と声が被っちゃった!どのタイミングで喋ろう?今かな、今かな…あっ、他の人に先越された…という経験を。
みんなの顔が映っているけれど、何より自分の顔がものすごく気になってしまうことを。
主催者が本日の流れを説明している間に、初めて参加される方は、このようなことで頭がいっぱいになっている可能性があります。
すると、本イベントの主旨がしっかりと理解できずに、気づいたら終わり、なんかどっと疲れている、オンラインイベント向いていない…になりかねません。
主催者は、慣れている人も初めてオンラインイベントを経験する人も、できる限り同じスタートラインに立った上で進行するためにはどうすればよいかを、考える必要があります。
具体的には、会が始まる前や始まってからすぐに、操作方法の説明やオンラインならではのこの場のマナーを設定し、しっかりと共有する必要が出てくるでしょう。
場合によっては、緊張をほぐすために、オンラインの簡単な操作を交えた遊び感覚のゲームを導入するのも効果的だと考えます。
もう1つは、オンラインイベントは、「インターネット回線」といういつ途切れてもおかしくないものの上に成り立っているということ。
手持ちのwi-fiを使っていても、「あれ、急に途切れた」ということは、多くの方が経験されたことがあると思います。
そのようなことが、悲しいかな起こりうるのです。
なので、プログラムを組む際には、急に音声が途切れ途切れになって内容が聴き取れなかったり、画面がフリーズしてしまったりしても、改めて説明を行い直せるよう、余裕を持った時間配分が求められます。
また、当日に大事故にならないよう、事前リハもオフラインイベントの時以上に念入りに行う必要があるでしょう。当日と同じ回線を利用してオンライン上で開場し、同じスライド資料を流してみて、同じやりとりをしてみて、気になったことは潰していきます。
素人が安価な機材を用いて急に生番組を始めようとしているのが今…という現状をしっかりと認識しましょう。
4.役割分担の明確化と見える化
例えば、zoomで講演会を行う場合。
オフラインでは、
(1)司会者「では、◯◯さん、よろしくお願いします」
(2)講演者「はい、よろしくお願いします。それではスライドをお見せしながら話しますね」
という、2工程で済む話ですが、これがzoomで実施すると、
(1)PC操作「司会者が講演者を共同ホストに設定。もしくは、初期設定で参加者の画面の共有を”許可”に設定」
(2)司会者「では、◯◯さん、よろしくお願いします」
(3)PC操作「講演者にスポットライトを設定。もしくは事前に参加者に画面をスピーカービューにしてもらうようお願い」
(4)講演者「はい、よろしくお願いします。それではスライドをお見せしながら話しますね」
(5)PC操作「画面の共有」
と、PCの操作が確実に入ってきます。これらのどれを、誰がやるのか。
また、「チャット機能」を用いて、参加者の反応を拾いながら実施するとなると、じゃあそれを一体誰がまとめるのか。
更には、チャットに流れてきた「音声が聴こえません」という苦情に、誰が対応するのか。
そのような不測の事態が生じている時に、どう共有するのか。
オフラインではその場対応でなんとかなることが、オンラインイベントだとどうにもならないことが多いのです。
なので、プログラムデザインをしながら、主催者がすること、講演者がすること、ファシリテーターがする作業・話すタイミングなどを、オフラインの場づくり以上に綿密に組み、全員が理解を深める必要があります。
ちなみに、手前味噌で恐縮ですが、合同会社Active Learnersはこれまで、オフラインの場づくりの際も、メイン・ファシリテーターとサブ・ファシリテーターという2人体制で場づくりを行ってきました。
メインが第三者の立場で会を進行し、その様子を更に俯瞰した立場でサブが観察・分析を行い、その情報をもとにメインにフィードバックするというやり方を積み重ねてきています。
そういったこれまでの経験が、オンラインの場づくりにも活かせると考えています。
以上、第2編「開催準備編」でした。
ぜひもうすでにオンラインの場づくりの実施が決まっている方々も、お気軽にご相談下さい。
◯合同会社Active Learners ご依頼までの流れ
https://active-learners.jp/request/