自分たちの学校を、自分たちでつくる。ルールは後、理想を考えよう@杉並区立中瀬中学校

ちょっと、これは読んで欲しいかも、です。

毎年、ワークショップ型の総合学習の時間を一緒につくってきた中瀬中学校から、コロナ後、初のオーダーが舞い込んできました。

「生徒たちに、ルールを考えさせたい。12月中に何かしら発表できるような形にしたい」いよいよきましたか…という感じ。

中瀬中学校では、もう4年前からずっとこの準備をしてきたと言っても過言ではありません。年4回の総合学習の時間では、全校生徒対象・1〜3年を縦割りにグループを作り、テーマについて対話をする機会を設けてきました。コロナ禍の影響を受けながらも実施した体育祭では、初めて個人種目エントリー制を実施。個人種目に出る・出ないから、自分達で決めさせ、無事に終了しました。

そして、いよいよ学校運営にも、本格的に生徒たちの自主性を取り入れていく段階だと判断されたようです。

ただ、話していて気になったのは、「生徒たちの自主性を変えるためにすることは、本当にルールを変えることでいいのか」ということ。ルールは、目指したい生徒像・学校像があって、それを実現するためのもの。制服を変えたい、靴下を変えたい。だから署名したり、全校集会開いたり、約束事考えて提出して、承認されて、実現。

もちろん、そういう流れから始まる学校があってもいいと思う。

でも、中瀬には積み重ねてきたものがある。制服を変えたい。自由だから、楽だから、平等だから…から、もう一歩踏み込んではどうだろうか。自分たちは、中瀬中から卒業したときに、どんな生徒になっていたいのか。「理想の自分達の姿」から丁寧に、生徒達全員で考える。

数年かかるかもしれないけれど、中瀬ならそういうプロセスを実現できるんじゃないか。最終的にはそのような方向で校長の想いも固まり、進めていくことになりました。

昨日は、それを進めていくために、生徒会のみなさんと初めての会議。僕らはファシリテーターとして、中立の立場としてこのプロジェクトの主旨を説明。それを受けて生徒達同士で話してもらい、今思っていることを素直に伝えてもらいました。

前向きな意見ももちろんありました。でも、今の生徒達でできるのかという不安、1つにまとまらないのでは?という疑問、早いんじゃという焦りも出てきました。

この時点で「あっ、このまま進めたらだめだ」と気付きました。これじゃあ、上から降りてきたプロジェクトを生徒達がやらされることになってしまう。本質的に、自分たちが学校をつくることにならない。

なので、提案しました。

「今はまだ早いという感覚、生徒だから感じられるすごく大切な感覚。こういうことを無視して、生徒会のみんなが心から納得していないのに、進めても意味がない」「これから話し合いをして、みんなで結論を出して欲しい。もしそれでやらないということになっても大丈夫。僕らから香西校長にちゃんと話すから」「みんなで決めるときに目指すのは、1つの正解を探すことではなく、みんなで決めたという感覚をもつ納得解をつくりあげること。まずはみんなから始めてみよう」

今度は学年ごちゃ混ぜになってもらい、グループで対話。その後、お互いのグループの結論を共有。それに対して質疑や提案を行いました。

最終的には、一人一人から今の想いや考えを表明してもらい、結果として…進めることに。

この時、そばで見ていた我々や先生が喜ぶべきなのは、実行することに決まったことではなく、みんなで納得して決めたこと。

大きな第一歩が、始まりました。

〈ゴール〉
このプロジェクトについて、自分たちのクラスに戻ったときに自分の言葉で説明できるようになっている
→(変更後)このプロジェクトをどうしたいか、ここにいるみんなが納得した結論が出されている

〈プログラム〉
(1)簡単自己紹介
(2)情報提供・マインドセット「香西校長の想い・本プロジェクトの主旨・本日のゴール・プログラムの共有」
(3)個人ワーク「資料読み込み」
(4)グループワーク「ぺちゃくちゃタイム」
(5)全体ワーク「今の自分の想い考えを共有2回転」
(6)グループワーク 「このプロジェクト、どうしたい?」
(7)全体ワーク「所信表明」