自分が本当に訊きたいことを、訊こう@杉並区立中瀬中学校
7/19(月)は、中瀬中学校2年生を対象に、職業体験の事前学習を担当しました。
今年度はコロナの影響もあり、ほとんどの現場での体験が難しいということで、「職場の方々にインタビューする」ということに変更されました。
それを踏まえ、校長先生からいただいたご依頼は「終わった時に自分がする質問が完成している状態にして欲しい」とのこと。
なるほど…でも、よくよく考えてみると、質問って難しいんですよね。
大人でさえ、自ら参加した講演会などで質問を求められても手を挙げる人なんてほんのわずか。
まして、中学生が、まだ自分の中でもイメージがついていない「働く」ということについて、仮に自分がそこまで興味がまだ湧いていない職場に行くことになった生徒にとっては、質問なんて思い浮かばないんじゃないか?
いや確かに“それっぽい”質問で切り抜ける賢い子もいるけれど(僕もそのタイプだった)、じゃあそれが“本当に”自分が訊きたいことなのかと言われると、答えが返って来た時の反応を見ると、そこまでではない時もありそうだし…。
そう考えると、「自分がしたい質問が思い浮かぶ」…というのはテクニカルなものであり、大きく二つの力が必要になってくることが分かりました。
1つは、自分が興味がもてそうな部分を見つける力★
具体的には、情報や話を聴きながら、自分にも当てはまる・関係のある部分を見つけ出すために、ミクロとマクロの視点を切り替えながら聴く力。
例えば、仕事の話を聴いている時に、
個別具体的な「仕事の内容」には興味が湧かないかもしれないけれど、
少し視野を広げて「働き方やライフスタイル」には興味が湧くかもしれない。
もっとマクロな視点で捉えて「人生」という枠組みで仕事をどう考えているかなんて話だったら、自分も語れるかも…というように、カメラのズーム機能を使うイメージで人の話を聴く方法をお伝えしました。
もう1つは、訊きたいことに応じて質問を使い分ける力★
具体的には、確認・絞り込みに使われるクローズドクエスチョンと、問いかけや具体化・例示・対比に用いるオープンクエスチョンの違いを知り、意識的に使い分ける力。
日常会話の中で意識的に選択するのは慣れが必要ですが、今回のようにインタビューとして事前に準備ができるときにこそ練習することをお勧めしました。
…と、これら二つの力についての情報提供を行い、自己開示も兼ねた僕の自己紹介に対してどのような質問を投げかけるかの練習を実施。
その上で、自分達が行く職場に向けて、自分がしたいと思える質問を最大3つ考えていただきました。
ベースは個人ワークでしたが、途中に他のみんなの考えを取り入れる時間を組み込みながらブラッシュアップ。
終了時には、ほとんどのみなさんがこの時間の中で1つは自分が訊きたい質問を考えられたようです。
あっつい体育館の中、隣でなぜか工事もしていて…本当に大変な環境の中でよく頑張りました(><;) みなさんの職業体験が、少しでも素敵な時間になりますように。
<ゴール>
職業体験先で自分が訊きたい質問が思い付いている!
<プログラム>
(1)開会・マインドセット「本日の主旨・ゴール・プログラム・ルールの共有」
(2)アイスブレイク「簡単自己紹介」
(3)情報提供「質問を考えるコツ①」
(4)個人ワーク「自分は何に興味がありそう?」
→グループワーク「共有タイム」
*休憩*
(5)情報提供「質問を考えるコツ②」
(6)個人ワーク「自分がしたいと思える質問を考える」
→グループワーク「共有タイム」
(7)振り返り
*合同会社Active Learners*
https://active-learners.jp